朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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アイバンクの登録

角膜提供のドナーカードは持っていましたが、アイバンクへの登録はしていませんでした。

もちろんドナーカードだけでも角膜提供ができます。
ドナーカードの場合は、遺族が臓器移植ネットワークに連絡をして、臓器移植ネットワークからアイバンクに連絡が行くのだそうです。

アイバンクに登録していれば、遺族はアイバンクに連絡してすぐに眼球を提供できます。

角膜は死後6時間から10時間以内に特殊な液体で保存しないとならないのだとか。

早いほうが良いとなれば、もちろん、アイバンクに登録するに限ると思い、おっとっとと二人、アイバンク登録を申し込みました。

自分が死んだあと、誰かのお役にたてるのならこんな嬉しいことはありません。体のどこでも使えるものなら使ってほしいです。

幸い、角膜は年を取っていても提供できます。近視でも遠視でもでも、伝染性の病気がなければ使ってもらえるそうです。

ただ、遺族の気持ちは複雑なんですよねぇ・・・・。

私も自分の角膜提供を申し出ているくせに、娘が亡くなった時には角膜提供するのが嫌でした。

3度も手術した娘に体に、たとえ死んだあとでも、メスを入れるのは嫌でした。そっとしておいてほしいと願いました。

本人がアイバンクに登録していても、遺族の承諾がなくて角膜を提供できないケースがあると聞きます。

その気持ちはよく理解できます。頭ではわかっていても、精神的な部分で拒否してしまう。私もそうでしたから。

あの時、おっとっとが
「お前は菜穂の気持ちを大事にするのか。自分の気持ちを大事にするのか。俺は菜穂の気持ちを大事にしてやりたい」
と言わなかったら、きっと娘の角膜を提供していなかったと思います。

角膜提供をして半年ぐらい後に、アイバンクからお二人の方の目に角膜移植されたと連絡をいただきました。きっと福島県内の方だろうと勝手に思っております。

もしそうなら、どこかで娘の角膜とすれ違うかもしれない。角膜は私のことを見るかもしれない。そのときはきっと微笑んでくれることでしょう。

娘を亡くした悲しみはそう簡単に消えはしませんが、角膜だけはまだ生きているという思いは、私たち夫婦の悲しみをどれほど癒してくれているかわかりません。

これを読んだみなさんも、どうぞアイバンクに登録して下さるようにお願いいたします。

そしてもし愛する人が亡くなって、角膜提供しなければならないときには、反対せずに亡くなった方の遺志を尊重してあげてください。

娘の角膜は今年もきっと、大好きな桜を見ることでしょう。

by asahikanokami | 2009-04-01 21:21 | 私のこと
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