朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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撮影秘話(その15 録音)

小学一年の時のこと。
ある日、音楽の時間に担任の先生が
「美保子ちゃん、あんたの声っておかしな声だね。聞き苦しいから小さな声で歌って」
って言ったのです。国語の時間に教科書を朗読したかったのに、どんなに手をあげても朗読させてもらえませんでした。

以来、私は歌うことに自信が無くなり、自分の声は変なのだとずっと思っていました。

そして、ある日、テープレコーダーと言う機械があることを知りました。

大きなリールが二つ並んだその機械に自分の声を録音して聞いた時の衝撃は今でも忘れられません。
「なんて・・・・変な声・・・・・・先生が言ったのは本当だった・・・・」

そしてすっかり音痴になってしまった私。人の前で歌ったことがありません。

そんな私がなぜか高校時代に演劇部に入り、そして今は昔語りをしています。

でもいつも、心の隅にあるコンプレックスが消えることはありませんでした。ずっと私の声は変だと思っていました。

一方、おっとっとは高校時代から放送部。アナウンサーになりたかった人です。最近まで何かイベントがあると司会を頼まれていました。顔さえ見なければ、とても良い声をしています。

今回のナレーターが私と決まった時のおっとっとの落胆ぶりはお見せしたかったです。

撮影から数日後、私は一人で上京して、スタジオで録音をしました。
初めてのスタジオ。テレビドラマでは良く見るのですが、まさか自分が中に入るとは思いませんでした。

脚本を渡され、数回の練習。そしていよいよ本番です。なぜかドキドキもしなければ、震えもしません。極めて平常心。いや、むしろ楽しくてちょっとうきうき気分でした。

そして本番。

「はい!OKです!一発OKです!!」
スタジオから出てきたら、大勢のスタッフの皆さんが拍手をして下さいました。

「プロでも一発OKなんていうことはあまりないんですよ。すごいなぁ。とてもすばらしいナレーションになりましたよ」
とほめられました。

数時間かかるだろうと思っていた録音時間がわずか20分ほどで終りました。

帰りの新幹線の中で嬉しくてちょっと涙が出ました。
これで私の長年のコンプレックスとおさらばです。これからは胸を張って昔語りの舞台に上がれると思いました。

やっと自分の声が好きになれそうです。

by asahikanokami | 2009-07-25 21:35 | 私のこと
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