朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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月見草

前の日記に鼠入り川のことを書き、川辺で見つけた月見草の写真を最後にアップしました。

今日、その日記を読み返したら、突然に忘れていた記憶がワァ~~っと沸き起こってきました。

それは私が小学一年生の夏。

夕ご飯を食べながら母が
「月見草って咲くときにポンって音がするらしいよ」
と言い出しました。

父が
「俺はしょっちゅう雑魚(岩手ではざこではなくざっこと言います)を釣りに行くが、ポンなんて音は聞いたことが無い」
と言い、それなら皆で確かめに行こうということになりました。

次の日、家族4人で鼠入り川のほとりまで行き、河原に生えている月見草の、今にも咲きそうな蕾の前に陣取り、観察会が行われたのです。

f0061402_22173595.jpg


空は茜色から紫になり、群青色にと変わっていきます。やがて藍色になるころ、一つ二つと星がまたたき、川風は一段とひんやりしてきました。

しかし待てども待てども月見草は咲きません。

弟が飽きてぐずり出しました。私も飽きて石を拾い川面をめがけて投げて遊びだしました。

遠くで
「ケ~~~ン」
と狐の鳴き声がします。

あきらめて帰りかけた時、ふわりと月見草の花びらが少しだけほどけました。音はしませんでした。

f0061402_22182135.jpg


両親も若かった。30代になったばかりだったことでしょう。
お互いに頼れるような実家ではなかったので、二人で力を合わせて生きて行くしかなかったのだと思います。

ふわりと音もなく花びらがほどけた月見草。

生真面目で正直だった父と、朗らかで優しかった母。
その両親からいっぱいの愛情をもらって育てられた私は幸せです。

おとうさん。おかあさん、ありがとう。

by asahikanokami | 2009-09-27 22:18 | 私のこと
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