朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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朝はどこから

御法事の準備のために買い物に出かけました。カーラジオから聞き覚えのある曲が流れてきました。

ギター演奏だけで歌は無かったのですが、自然に歌が口を衝いて出てきました。


『朝はどこから 来るかしら

 あの空越えて 雲越えて

 光の国から 来るかしら

 いえいえ そうではありません

 それは希望の家庭から

 朝が来る来る 朝が来る

 「お早よう」 「お早よう」』

母がいつも歌ってくれた懐かしい歌。

父は歌が上手でしたが、母はちょっと音痴でした。私は母の血を引きました。

それでも何かにつけて母は歌っていたような気がします。寝起きが悪い私を起こす時はいつもこんな歌を歌ってくれました。

『起こされたら飛び起きよ

 ぐずぐず言わず機嫌よく

 朝は今日の始めです
 
 よわ虫毛虫はさんで捨てろ』

こんな歌があったのでしょうか?それともこの歌は母の創作でしょうか? 今となっては真相を聞くこともできません。

ラジオから流れてきた曲は、一瞬のうちに、私をあの岩泉の国鉄官舎の我が家へ連れて行ってくれました。そこにいたのは、割烹着を着た若い母。

母は機嫌よく歌いながら洗濯物を軒先の竿竹に干しています。

「朝はどこからくるかしら♪」

ちょっと音程の外れた母の歌。

「おかあさん!」

思わず母に呼び掛けて、はっと我に返り、そしてちょっと涙が出ました。

by asahikanokami | 2011-01-16 20:57 | 私のこと
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