親子三人、避難所の片隅で頭をくっつけて家族会義を開きました。
これから先のことは、すべて息子の決意にかかっています。
まずは朝日館を閉めるか?それとも続けるか?
これは、息子に継ぐ意志がなく、今の仕事が楽しいというので、すんなりと朝日館は幕を下ろすことに決まりました。
明治初期から続いた朝日館がこんな風に幕引きされるとは、思ってもいないことでした。
いろいろな思い出が胸に去来して、涙がこぼれます。
大勢のお客様やお得意様に支えて頂いて、朝日館がここまで続いてこれました。
ありがとうございましたという言葉以外に言葉は見つかりません。
「泣くことがあるか。もともと後5年で閉めるつもりだったべ。5年早まっただけだべ」
こういう時には、お気楽亭主の無駄な明るさが救いになります。
次は家のこと。
あの惨状を目の当たりにして、もう海辺に住む気持ちにはなれません。地盤が1メートルぐらい沈下しているという噂も聞いて、なおさら嫌になりました。
息子が独身を通すならアパートを借りるという方法もあります。
結婚する気があるのなら、最初から二世代住める家を建てなければなりません。
「今付き合っている人はいないけれど、結婚する気はあります」
ということなので、小さな二階建ての家を建てると決めました。
無くした物を考えても仕方がない。三人で力を合わせて生きていこう。そう確認して家族会義を終了しました。
村上家頑張るぞ!えい!えい!お-!!