朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

相馬野馬追い祭り

今から30年も前のこと。
ちょうど7月23日に、息子が風邪をひいて熱を出しました。

なぜはっきりと日にちまで記憶しているかというと、その日は相馬野馬追い祭りの日だったのです。
相馬のお医者さんに連れて行って、待合室で診察を待っていたら、何やら外が騒がしいので見ると騎馬武者の行列でした。

息子に見せたいと思い外に出ると
「ママ。あれは何?」
と息子が聞きます。5歳ぐらいでした。
「えっ!正嗣はお馬さんを知らないの?あれはお馬さんだよ」
と、息子が馬を知らなかったことに驚いて聞くと、今度は息子のほうが驚いて
「えっ!お馬さんってワンちゃんぐらいの大きさだと思ってた・・・。大きいんだねぇ!」

その言葉にショックを受けました。私が子供のころは、ご近所には農耕馬が飼われていて、ヤギや牛や鶏やウサギは、普通に飼われていました。しかし、息子が子供のころはすでに、新地でさえ、家畜を飼っているお家が少なくなっていたのです。絵本では知っていても、本物の馬を見たことがなかった息子。

さっそく、忙しい仕事の合間に仙台の動物園に連れて行っていろいろな動物を見せたことを昨日のように思い出します。

きみまろさん風に言うと
あれから30年!!今日はお野馬追いのお下り行列を見てきました。

f0061402_2024185.jpg


この時期、いつもなら夏休みに入るので海のお客様も忙しく、それプラス野馬追い祭り見物のお客様の予約でいっぱいになるので大忙しだったのです。お野馬追いを見に行きたいなんて思う暇もないほどの忙しさでした。
例年、お祭り終了後にはダウンして相馬の義妹に手伝いに来てもらうのも恒例でした。

それが今年は、毎日が日曜日になり、念願のお野馬追いを見に行くことができました。今朝、義妹から電話があり
「今年はダウンしないで済みそうだね」
と言われました。

夏祭りというのは、先祖供養の意味が込められているのだそうです。今年はなおさら鎮魂の思いを抱いて、みなさんお祭りに参加しているのだと思います。

相馬の人たちは、年に三日のこのお祭りの為に、馬を飼い、鎧装束の手入れをし、春になると調教と乗馬上達を兼ねて、浜などで馬を走らせて訓練します。

今年は、武者の方も、飼っている馬も震災の犠牲になったり、また原発30キロ圏内なので馬の世話ができなかったりで、例年よりもずっと少ない人数でのお行列なんだそうです。距離も短縮されました。

f0061402_20251441.jpg


例年なら、メインイベントの神旗争奪戦が行われる南相馬市の雲雀が原も30キロ圏内の為に、今年は神旗争奪戦は中止になりました。

お祭りをするのには、何もかもが困難な状況ですが、それでも1000年続いたお祭りを中止にはできないと、多くの方ががんばってくださいました。その心意気に胸が熱くなります。

30年ぶりに見るお行列。武者の胸に、黒い喪章がつけられ、粛々と進んでいく姿に感動しました。
来年こそは、本来のお祭りの姿に復帰することを切に願っています。
新地に嫁して40年。来年こそは神旗争奪戦をこの目で見たいものです。

f0061402_20255751.jpg


f0061402_20263645.jpg


by asahikanokami | 2011-07-23 20:17 | 私のこと | Comments(7)
Commented by ピーナ at 2011-07-23 20:59 x
関わってきた方の辛い気持ち、悔しさ、希望 そんな思いが織り交ざった今日だと思います。
写真のせてくれてありがとう。交通手段の難しさで断念してしまいました。
Commented by きしこ at 2011-07-24 03:53 x
今日 ネットで この・お祭りの事を見ました。
昨年・7月に 連れて行って頂いた・中村神社!。 懐かしいです。 でも今年は 皆さんが 黒い喪章がつけられているんですね。 見る側も 祭りに参加する側も 様々な想いがある事でしょう。 今年は・お祭りが ゆっくりと見られた・・・これも ある意味・複雑な心境で 読みました。 写真・私の・アルバムにも掲載しました。 
Commented by cake at 2011-07-24 09:50 x
母の実家は農家で、農耕馬がいました。囓られたり蹴られたりすると危ないと大人達は考え、「近づくな、触るな。」と言われていましたが、家に入るなり馬の所に行って、草を食べさせたりベタベタ撫でたりしても、嫌がることはありませんでした。米ぬかを水でこねくり回したケーキも、美味しそうに食べていました。馬はでっかいですが、可愛かったです。

東北に住んでいながら、東北の夏祭りを全て観てはいません。いつか時間に余裕が出来たらと思いながら、この歳になってしまいました。相馬の馬追も雄壮でしょうね。受け継がれた祭や伝統は、次の世代に渡さなければなりません。ご苦労の多いこともあるでしょうが、今年も開催できておめでとうございます。
Commented by かっちゃん at 2011-07-24 10:10 x
ど〜やってそこまで行っていいのか難しくて諦めました。
でもネットの実況中継をちょろっと見られたよ♪
毎年暑くて暑くてって所長が言ってたけど今年は涼しく良かったのにね。
Commented by 夢の浮橋 at 2011-07-24 11:31 x
ニュースで見ました。
困難の中、開催することが出来たと報道されていました。

東北はこれから夏祭り本番ですね!
Commented by 朝日館女将 at 2011-07-24 21:19 x
*ピーナさん*

いつもの年なら、所長のところで写真を見ることができたのにね。今年はいろいろな意味で、野馬追い祭りに参加する人、見物する人、それぞれがいろいろな思いを抱えていたと思います。

来年こそ、神旗争奪戦をみることができますように!!

*きしこさん*

mixiでのご紹介ありがとうございました。

いつもなら大渋滞する道路も今年はスイスイでした。
観光客もいつもの年の何分の一かだと思います。大型バスは見かけませんでした。

*cakeさん*

昔はどこでも家畜を普通に見ることができました。今は動物園に行かなければならないような有様です。

これからが東北の夏祭りが本番ですね。
Commented by 朝日館女将 at 2011-07-24 21:24 x
*かっちゃん*

原発で道路は通れないところがあるし、津波で電車の線路は流されているし。

もともと交通の便が悪いところなのに、ますます来れない場所になってます。

そのうち、みんなで野馬追い祭りを見て、その後飲み会をしたいですね。来年こそ!!

*夢の浮橋さん*

震災後に見つかった馬もあったようです。衰弱していたそうです。

厳粛な雰囲気で、鎮魂の思いが伝わってくるお行列でした。
<< アルプホルンが響く町 散歩 >>