元朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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7・一目瞭然

さっそく温泉に入りました。窓から日本海が見えます。あいにく今日は曇り空で夕日は見ることが出来ませんでした。

そういえば、以前娘と湯の浜温泉に来た時は、良いお天気で夕日が海に沈む所を、露天風呂から二人で感激して眺めたものでした。

海に沈む夕日は天空にいるときよりも大きくて、あたり一面を金色に染めてゆっくりと沈んでいきました。

そんなことを思い出すと、ほらほら、また涙が出るよ、気をつけなさい。自分に言い聞かせます。温泉に入りながら泣くなんて正気の沙汰ではありませんから。

そしていよいよお食事です。
7・一目瞭然_f0061402_1242946.jpg


「ほだから期待するなって言ったべぇ」
とおっとっと。それにしてもねえ・・・・。

「この料理で一体いくらで宿泊できるんだろうか?」
「1万ぐらいだべ」
「へえ!1万も取るの。この料理で」
「ほら、仲居さんが10人もいるべ。フロントも二人。売店にも一人。布団を取る人も必要だべ。1万とっても採算が合うかなあ・・」

二人でこっそりと値踏みです。

私の隣には若い女性お二人が座りました。いや~~、飲むこと、飲むこと。驚いてしまいました。ビールの大瓶が4本。おちょうしが二本。冷酒が二本。

それに比べて私たち夫婦。ビール一本を二人でもてあまし気味です。いっぱい飲んだお二人は顔色一つ変わらないのに、われわれ夫婦は火事場の金時のようにまっかっか。足もふらつきます。

鯛の兜揚げと言う料理が出てきました。鯛のお頭をからりと揚げたものです。
7・一目瞭然_f0061402_12423419.jpg


見た目は立派ですが、食べられる部分はほんのちょっとです。
あっという間におっとっとが食べ終わりました。

「わ~~ぁ、おまえは丁寧に食べたなあ。俺の残りもやるから」
とおっとっとが自分が食べた残骸をよこしましたが・・・・。
ちょっとこれは・・・。

で、記念に夫婦揃った(?)食事後の鯛の兜揚げのお皿の写真を撮ってみました。

どちらがおっとっとでどちらが私が一目瞭然です。

7・一目瞭然_f0061402_12425455.jpg


by asahikanokami | 2006-04-13 12:46 | 亡くなった娘の話
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