朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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冷や汗の桜

コメントのお返事を書こうと、パソコンを開けましたが、お返事は明日に先延ばしにして、桜の写真をアップします。

だって・・・・今頃桜のブログですよ・・・・・今頃、桜のブログを書くのは、世界広しといえども私ぐらいなものです。えへん!(自慢している場合じゃない!!)

昨年の4月は、まだ避難所暮らしで、おまけに原発事故のこともあって、ほとんど外に出ず、その日その日を暮すのに精いっぱいでした。

明日のことも考える余裕などなく、必死に生きていたという思いがあります。

そしていつ桜が咲いて、いつ散ったのか、それさえ気が付かないままに4月が終わりました。おっとっとが倒れ、私が体調を崩し、猪苗代のアットホームおおほりさんにお世話になりながら、我が家のホームドクター、今田先生ご夫婦に治療していただいていました。

おっとっとは、今田さんに誘われて猪苗代のお花見に出かけましたが、私はその頃はまだ寝ていました。

5月3日、仮設に入居できるというので、急きょ帰ってきて引っ越しをしました。荷物は何もなかったので、身軽な引っ越しでした。

あれから一年が過ぎました。

今年は、桜を見に行くぞ!!
念願だった滝桜を見に行くぞ!!

冬のうちから心に決めていました。

最初に桜を見に行ったのは、仮設のある小川総合運動公園の桜です。散歩しながら桜を楽しみました。

それから相馬市の長友公園の桜と相馬馬陵城のお堀の桜です。

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そして霊山町の茶臼山公園の桜も見ました。そしてここでは、思い出しても冷や汗が流れる思いをしました。
実は、被災した話をしてほしいと頼まれて霊山町に出かけたのです。場所がわからないので、早めに出かけたら、約束の時間よりも1時間早く到着してしまいました。

ふと見ると、小高い山が一面の満開の桜で埋まっているのです。懸田城跡なそうです。
人がやっと歩けるような細い道が頂上まで続いています。満開の桜に誘われて、ついつい、ふらふらと登ってしまいました。つづら折りの道が続きます。

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どこかにきっと広い道路があるはず。下りるときはその道を通ることにしよう。
なにせ下を見たら、足が震えます。足を踏み外したら、ゴロゴロと転がり落ちそうです。
だって・・・私は高所恐怖症ですから・・・・。

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そうなんです。桜に見とれて、高所恐怖症だったことをすっかり忘れていました。下ろうにも怖くて下れません。ひたすら登りました。そして頂上までついて、広い道を探しました。

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が・・・・見つからないのです。仕方がないので、被災体験を聞きたいと言ってくださった方に電話しました。
「今、頂上なのですが、広い道が見つからないのです」

電話の向こうで絶句しているのが伝わりました。
「あの・・・・広い道はありません。今来た道を戻ってください。皆があなたを待っています」

とたんにどっと冷汗が出ました。約束の時間まではあと15分あります。

皆が私の到着を待っているのです。怖いなんて言ってられません。
覚悟を決めて、元来た道を下ることにしました。

覚悟を決めても高所恐怖症は治りません。

半分べそをかきながら、戻りました。それでも幸いなことに、道を間違えて近道を下ったようで、登った時よりも早く下りることができました。

会場に着いたら、皆さんがお待ちかねでした。
総会の後、私の話を聞くことになっていたそうです。その総会が予定よりも早く終わったんですって。
私は、約束の時間に3分遅れただけでしたが、皆さんは20分も待っていたそうです。

急いで駆け下りたので、息は弾んでいるし、汗をかいているのに、その挙句に冷や汗まで出てせっかくのメイクもぐちゃぐちゃでした。

出席していた皆さんに
「これから話をしようとしている人が、桜を見に山に登るなんてすごい!さすが、余裕がありますね」
と妙な褒められ方をしました。

いや・・・・余裕があったのではなく、怖くて山を下りることができなかっただけなのです。

でも、茶臼山の桜は見事でした。

by asahikanokami | 2012-05-22 21:55 | 私のこと
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