元朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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紙芝居作り

23日に、相馬市報徳社の渡辺さんをお招きして、紙芝居製作&読み方講習会が行われました。

集まったのは、漁業組合長、おっとっとの男性二人と、小川仮設の選りすぐりの美人お母ちゃんたち。
漁師さんの奥さんたちです。それに新地町の広報の西牧さんと図書館の目黒さんもお呼びしました。
それから福島民報新聞の記者の方が、取材に来てくれました。
特別ゲスト(?)に、自転車で世界を廻っている西川さんも飛び入りして、楽しい紙芝居製作が始まりました。

最初は時間が来ても、皆がなかなか集まらず、仕方がないので、いる人だけで始まりました。
渡辺さんが、お手本を見せてくれます。

紙芝居作り_f0061402_19423568.jpg


そのうち、少しづつ人も集まり、賑やかになってきました。

しわにならないように、台紙に慎重に貼ります。
それから、台紙の周りの余った部分を切り取ります。

紙芝居作り_f0061402_19433915.jpg


それぞれが一場面づつ受け持ったので、どんな話なのか良くわからないまま、出来上がった紙芝居。
「漁業組合がある!」
「朝日館だべした」
「朝日丸?そんな船は無いべ」
大騒ぎをしながらの作業でした。

出来上がった紙芝居を床に並べて記念写真を撮りました。
遅れて参加する人、途中で帰る人。
出たり入ったりしながらも、完成しました。

紙芝居作り_f0061402_1944215.jpg


出来上がった紙芝居を読みました。

初めは興味津々で、にぎやかだった部屋が、次第にしーんとしてきて、そのうちに鼻をすする音が聞こえてきました。

紙芝居作り_f0061402_1945194.jpg


海で漁師さんたちが、命がけで津波を乗り切っていた頃、陸では、奥さんたちがどんなにか心配で、心細く、夫の無事を必死に祈っていたことでしょう。

思い出して泣いている奥さんたち。

辛い思い出です。
でも、紙芝居の最後に、書いたように
「忘れたいけど、忘れない。忘れてはなんねぇ」
と思います。

命が大事なこと。家族が大事なこと。人と人のつながりが大事なこと。
津浪が教えてくれました。

嬉しいことに、来月号の新地広報の表紙は、私たちが飾ることになりそうです。
広報に載ったなら、新地の人たちに、広島からすでに4本も紙芝居が届いていることを知ってもらえます。。
広島の人たちに感謝です。

自分たちの物語を紙芝居にして読むことで、自分の心と対話したいと思います。
まっすぐに顔を上げ、一歩前に踏み出すエネルギーを受け取りたい。

昔話からは、先祖の知恵と誇りを。
パーソナルストーリーからは、勇気と元気を。

by asahikanokami | 2013-05-27 19:46 | 避難生活
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