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寒くなってきました。
昨日、とうとうコタツを出しました。 今日はコタツにあたりながら読んで欲しい昔話のご紹介です。 先日、久しぶりの参加した昔話教室で、先生に教えていただきました。 忘れないうちに、ここにご披露かたがた、自分の頭にも残しておきたいと思います。 ****************** むかし、むかし、ある所に小さな蛇がいたんだと。 蛇は毎日、毎日 「俺も一度でいいから天にのぼってみでぇもんだ」 って言っては、空ばかり眺めていたんだと。 ある日、川のそばの草むらでいつものように 「ああ、俺も天に昇りでぇ!」 って叫んだと。 そしたら 「そんなに天に昇りでごったら(昇りたいなら)連れでってやるべぇ」 って言う声がしたんだと。 小さい蛇が振り向くと、そこにはよぼよぼの年寄りの蛇がいたんだと。 小さい蛇は、こんな年寄りが俺のこと天に連れて行ってくれるはずがないと思ったと。 ところが、蛇と言うのは海で千年、山で千年、川で千年修行すると、龍になって天に登ることが出来るんだと。 その年寄り蛇は、すでに海で千年、山で千年修行して、川での修行もあと残り十日すると龍になって、天に昇られる蛇だったと。 そこで、小さな蛇は十日後に龍になるその年寄り蛇に、一緒に天に連れて行ってもらえるように約束したんだと。 小さな蛇は嬉しくて、嬉しくて、黙ってられなくて 「俺は天に昇るんだぞ」 と言いふらしたと。 そしたら、十日目の朝には、天に昇りたい蛇が、あっちこっちから、ぞろぞろぞろぞろといっぱい集まってきたんだと。 そこで、まず、小さな蛇が龍になった年寄り蛇の尻尾に喰いつき、その小さな蛇の尻尾に別な蛇が喰いつき・・・・・・と、次々に蛇が尻尾に食いついて、長~~~い長~~~い蛇の縄が出来上がったと。 龍はドンドン天に向かって昇っていったと。 その龍の尻尾には、数珠繋ぎになった蛇の長~~い縄がぶら下がって、一緒にゆらゆらと天に登っていったと。 ドンドン登っていって、どんけ(どのくらい)登ったもんだか、もう少しで天だという所まで登ったと。 「もう少しで天だがんな。がんばれよ」 と龍が言ったと。小さな蛇はいよいよ夢にまで見た天だと喜んだと。 そして嬉しくなったものだから、下の蛇に向かって 「皆、もう少しだどぉ。がんばれ~~」 ってしゃべったとたんに、喰いついていた尻尾から口が離れて、スト~~~ンと他の蛇もろとも地上に落ちてしまったと。 ほだから、もし、その辺りの草むらで蛇を見かけたら、それは天に昇り損ねた蛇どもなんだと。 おしまい。
by asahikanokami
| 2006-10-27 21:58
| 昔話
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