朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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昔話の会(雪女)

今朝、新聞を開いたら
「今日14時から双葉町で昔話の会。ゲストは川辺洋子さん」
という文字が目の飛び込んで来ました。

「川辺先生の昔話があるんだ!!」

川辺洋子さんは、私が昔語りを教えていただいている先生です。

幸い、今日は午後からの予約はありません。大急ぎで昨夜のお客様の後片付けをして、お花屋さんに注文の電話を入れて、11時に我が家を出発しました。

双葉町までは何時間かかるでしょうか???なにせ普段は半径30キロぐらいまでしか運転しない私。もし14時までに到着しなくても仕方がないなと思いながら、相馬のお花屋さんで予約していた花束買って、ついでにおむすびとお茶も買いました。

相馬市、南相馬市、と走っているうちにお昼になりました。おむすびをほおばりながら走ります。

でも、ちょっと注意しなければなりません。以前にも運転しながらおむすびを大きな口をあけてほおばっていたら、クラクションが鳴ってふと見たら、対向車を知人が運転していました。

後日
「あのな、誰も見て無いと思って、運転しながら大きな口を開けて喰うんでねぇ!どこで誰が見ているかわからないべぇ!」
って笑いながら叱られました。

で、気をつけて対向車が来ない時にぱくっ!!お茶をごくっ!

思ったよりも早く12時半には着いてしまいました。
ありゃ・・・・こんなことならおむすびなんて食べないで、どこかのお店で昼食をゆっくりと食べるんだったなぁ。

開始時間まで一時間半もあります。とりあえず駐車場に車を入れ、とことこ歩いて近くの喫茶店でコーヒーを飲んで暇つぶしをしました。

コーヒーは実にまずかった。苦いだけで味も香りもありませんでした。残すのはお店に申し訳ないような気がしてお砂糖をいっぱい入れてがんばって飲みました。お昼だというのに私以外にお客様がいなかったのもうなずけます。

それはさて置き、14時からの昔話の会は良かったです。
最初に双葉町の小学生の「せんだん太鼓」の演奏がありました。
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小さい子が一生懸命に演奏するのを見ると、ウルウルします。
撥さばきも揃っていてすばらしかったです。手が痛くなるほど拍手をしました。

それから双葉町の昔話サークルの方の発表がありました。悔しいけれど、新地町の昔語りの人たちより上手でした。

そして、川辺先生の語りが始まりました。
「雪女」

やはり、先生は違います。数段上手です。なによりも間が良いです。語りに余裕があります。緩急自在。声が小さくなったり大きくなったり。

観客は自然にお話に引き込まれて、身を乗り出してしーんとして聞いています。

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吹雪の山の中で雪女に父が凍え死させられるのを見てしまった子供。
「見たことを他の人にしゃべってはなんねぇぞ」
と命を助けられた。何年か後、大人になった男は吹雪の日に道に迷った女を助け、一緒になり何人もの子までなします。

幸せな毎日に気が緩んだ男は問わず語りに女房に昔話をします。

「あれほど・・・誰にもしゃべってはなんねぇって言ったべぇ・・・しゃべったらお前の命をもらうって言ったべぇ・・・」

恋女房は気がつくと恐ろしい雪女になっていました。
しかし、殺そうとした瞬間に、夫の側で可愛いわが子が眠っているのに気がつきます。

夫を殺したら・・・・・我が子は孤児になる・・・・。
雪女は一番下の赤ん坊だけを抱いて雪の中に消えていきました。

「お雪ぃ~~~」
必死に叫ぶ男の声は吹雪に消されて女の耳までは届きませんでした。

先生のお話が終わって一瞬、会場はシーンとなってそれから割れるような拍手が起こりました。

恐くて、そして悲しいお話でした。すばらしい語りでした。

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帰り道、川辺先生に教えていただいている幸せを思いました。

by asahikanokami | 2007-07-22 23:24 | 昔話 | Comments(0)
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