朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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父の浴衣

前に日記に書いた布ぞうり。 実は実家の父の浴衣でつくりました。
母の母、すなわち祖母が父に縫ってくれた浴衣です。 父はどてらの下に着ていました。

両親が亡くなり、実家を処分することになった時に、多くの家財道具を運んできました。中には古くて持って来るまでではないものも多くありましたが、おっとっとが
「お義父さんが汗水たらして働いて買った品物だから捨てられない」
と仕入れに使っている小型トラックで、何度も往復して我が家に運び込みました。

結局、持っては来たけれど使わないで捨てたものも多くあります。残りは倉庫に、いつ使うとも無くしまってあります。その中に父の浴衣がありました。どういうわけか捨てずにしまってありました。

洗おうと思い、洗濯機に入れて風呂水を入れたら、ふっと父の匂いがしました。

この11月が13回忌になります。 12年もたっているのに、しかも洗濯してしまってあった浴衣なのに、ふっと父の匂いがしたのです。 涙がこぼれました。

勤勉実直を絵に描いたような面白みの無い人でした。寡黙であまり笑わない人でした。冗談も言わなかったなぁ・・・。しつけも厳しかったし・・・。(20歳を過ぎても門限が20時だった)

そんな父でしたが私は父が大好きで、ずいぶん大きくなってからも映画を見る時は、いつも父と一緒でした。と言いますか、親以外の人と映画を見に行くのは不良だと言われていました。

「女の子はそんな所に行くものじゃない。だが社会勉強のために知っておくことも必要だ」
と、焼き鳥屋やパチンコに生まれて初めて行ったのは、父と一緒でした。

思いがけず父の笑顔が浮かび、洗濯機を回しながら泣いてしまいました。
私は可愛がられて大事に大事に育ててもらったなぁ・・・。ありがとうございます。 両親に感謝です。

おとうさん。あなたの浴衣が布ぞうりになりましたよ!

by asahikanokami | 2007-09-09 23:00 | 私のこと | Comments(3)
Commented by ひろき at 2007-09-11 10:37 x
読んでたら涙が出ました。
僕が14歳の夏に母は他界しました。
あれから30年以上過ぎたのに、母が最後に病院から
家に戻ってきた日の母の姿を思い出します。
白っぽい着物を着て日傘を差して笑いながら「ただいま」
と言った姿を。とっても綺麗でした。
また、涙が。
Commented by はなみずき at 2007-09-12 16:09 x
初めてお便りいたします。
 実は、この夏主人(鹿島出身)の同窓会が横浜で行われ
画家の齋藤研先生の亡くなられた奥様のいとこのTさんから
先生を紹介していただきました。定年後、趣味で絵画教室に
通っている主人にとっては、まるで雲の上の方ですが、
おそるおそる、先生の新地のお宅に伺いお話をさせていただきました。
 先生のお宅に伺う前にこの素敵なブログを拝見するチャンスに
恵まれ、いつかお話させていただきたいと思っておりました。
先生は、いつも朝日館に絵を飾ってもらっておられる事や美味しい海の幸を届けていただいている事等を嬉しそうに、お話して下さいました。
 しばらくはこのブログの隠れファンでおりましたが、
 これから時々、コメントさせていただいてよろしいですか?
楽しみにしています。
Commented by 朝日館女将 at 2007-09-13 22:31 x
【ひろき様】

お母様の大切な美しくそして悲しい思い出をありがとうございます。

私まで涙が出てきました。(私は娘を亡くしているのです。娘が東京から最後に帰ってきたときの姿を思い出しました)

きっとおかあさまはいつもひろき様の側にいてくださると思いますよ。私も最近、なくなった両親や娘が側にいて見守っている気配を感じるときがあります。気のせいかもしれませんが、私はそう信じています。

【はなみずきさん】

私は齋藤先生と亡くなられた奥様の大ファンなんです。
もちろん齋藤先生の絵の大ファンですが、先生を大変に尊敬申し上げております。
アトリエで先生のお話をお聞きするのが楽しみです。

アトリエで製作した先生の作品は、新地の人たちに見て欲しいからと、真っ先に我が家の玄関に飾られます。いつか見においでください。

コメントも大歓迎です。いつでも何でも書き込んでください。(ただお返事は遅れたり、時々忘れたりしますのであしからず)
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