朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

〇越デパート

昨日、1年ぶりぐらいに電車に乗って仙台のデパートに行ってきました。
行きたい、行きたいとおもいつつ、予定すると用事が出来て、昨日まで実現しませんでした。

姑が元気なころは、二人でしょっちゅう仙台のデパート巡りをしていました。デパートが大好きだった姑は、そのために相馬の病院ではなく、仙台の病院に通院していました。病院の帰りにデパートによるのが楽しみだったのです。

月一回の通院だけではあきたらず、しょっちゅう
「デパートに行くべ。新地にばかりいたら新地の母ちゃんになってしまう。時々仙台の空気も吸わないと」
と私を誘うのでした。

母もデパートが好きでした。私が仙台に出かけていくというと、必ずデパートの前で待っていました。

そんなことをいろいろ思い出しながら○越デパートの入り口をくぐったら、姑のこと、母のことを思い出して涙が出ました。

誰もいなかったら、うずくまって嗚咽したかもしれません。

姑が病気になると、よく枕元で
「おばあちゃん、いつまで寝ているの。ほら、○越デパートに行くよ」
というと
「明日まで待って」
と言って、本当に翌日は回復していました。

最後、もう意識もない時に
「おばあちゃん、良くなって!また○越デパートに行こう」
と言ったら、動かないはずの手が少し動きました。

何度やっても手が動くのです。お医者様は目も見えず耳も聞こえていないと言いましたが、姑には確かに聞こえていたし、わたしに
「また一緒に行こうね」
と言いたかったと思います。
しかし、姑は数日後に亡くなってしまいました。

「おばあちゃん、○越デパートだよ」
きっと、姑も母も私と一緒にここに来ている。そんな気がしました。

お昼は牡蠣が大好きだった母といつも一緒にった老舗のカキ料理屋さんで、母といつも食べたカキフライ定食を食べました。

運ばれてきたら母のことを思い出してしまい、また涙が出ました。ひとりで泣きながらカキフライを食べているおばさん。怪しい~~~。
店員さんがジロジロ見てました。

久しぶりの仙台。久しぶりのデパート。
思いがけず、姑と母のことばかり思い出してしまいましたが、それはとりもなおさず、私がとても良い姑と母をもったという証拠です。
私は幸せものです。

by asahikanokami | 2008-01-16 14:11 | 私のこと | Comments(6)
Commented by はなみずき at 2008-01-17 18:31 x
 今年も楽しみに拝見いたしますので、どうぞよろしく
お願いいたします。
 文面に溢れるおかみさんの優しさに頭が下がる思いです。
 お姑さんもお母さんも、どんなにお幸せだったかと・・・
いいお話を伺いました。
 
Commented by ゆきんこ at 2008-01-18 20:16 x
 こんにちは。昨年の暮れはお世話になりました。
久々に日記が更新され読ませていただきました。
お母様への想いが伝わってきて私もうるうる。。。
私の母は55歳で亡くなり、10年近く経つのですがいまだに
どこかの地にいるような気がします。夢もよく見るのですがね。

そんなこともあり、色々重なってさらに涙があふれてしまいました。
おかみさんの言葉に泣かされてしまいました(笑)
Commented by 塩野 輝之 at 2008-01-20 12:07 x
デパートの話を読み、先日のことを思い出しました。

大晦日は親友の命日。 お線香をあげてきました。

あれからもう2年も経ったんですね。9月には初孫が生まれました。

はじめて抱っこさせてもらい、友の命が繋がったんだなぁと、つくづく感じました。

家に帰り、あれっ?と思いました。
いつもの帽子をかぶって行ったつもりが、友の形見の帽子をかぶっていたのです。

普段かぶっている帽子は、いつものように玄関に置いてありました。

友の帽子は部屋の一番奥に置いてあり、年に数回、生きていたら一緒に行くだろうなと思うときや、友に見せてあげたいものがあるときにだけ、かぶって行く特別のものです。

友は小学校の同級生であり、家も近く、亡くなってからも時々行っているので、命日とは言え特別ではな、帽子のことはまったく意識していませんでした。

なのに、なぜかぶって行ったんだろう?
無意識であり偶然とはいえ、なにか特別のことを感じています。

この形見の帽子は、また特別の帽子になりました。

友の魂が宿っている。そう感じます。
Commented by カルピンママ at 2008-01-20 21:07 x
今は、そんなことないですけど、私たち(40代)世代くらいまでが、お休みの日や、何か特別な日しかデパートなんて行けなかった時代。○越なんて、ちょ〜贅沢なきがしてましたし、デパートに行くときは何故か、よそ行きのお洋服に着替えて出かけてましたね。
今は、食事する場所も専門店がほとんどですが、あの当時はまだ少なくて、大食堂で食べるのがこの上なく、リッチにさせてくれた時でした。
今は、そんな風に思うこともないですが。いろんな思い出がでてきそうですね。
Commented by 朝日館女将 at 2008-01-22 21:29 x
【はなみずきさん】

こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。

姑や母はどう思っていたかわかりませんが、姑とは本当の親子でもこんなに仲良く暮らせないだろうと思うほど、なかよく暮らすことができました。

また、母はわたしにとって唯一無二、この世でたった一人の大事な母です。

【ゆきんこさん】

ご宿泊ありがとうございました。

私も時々夢をみます。母はお空の世界に行っても、いまだに娘のことを気遣い心配しているんだと、今更ながら感謝の気持ちでいっぱいになります。

Commented by 朝日館女将 at 2008-01-22 21:30 x
【塩野さん】

きっとお友達が形見のお帽子をかぶってほしくって、塩野さんの頭にそっと載せたんですよ。きっとそうです。

私も時々、郵便局に行くつもりがうっかり通り過ぎて、娘のお墓の近くまで行くことがあります。

ここまで来たからとお墓に行くと、草が生えていたり、塔婆が倒れていたり、お墓の上に鳥の糞がついていたりします。

そんな時は娘が私を呼んだなと思います。
姿は見えなくても心はずっとつながっている。そんな気がしています。

【カルピンママさん】

そうそう!!
デパートに行くのは特別な日でしたね。特に〇越は正装で出かけました。

「今日はこんな洋服で出かけてきちゃったから、〇越には入れない」
なんて思いましたもの。

子供のころはお子様ランチの旗が嬉しかったです。
<< ふぐはうち(昔話) 死なないでね! >>