朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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<   2009年 07月 ( 18 )   > この月の画像一覧


撮影秘話(その15 録音)

小学一年の時のこと。
ある日、音楽の時間に担任の先生が
「美保子ちゃん、あんたの声っておかしな声だね。聞き苦しいから小さな声で歌って」
って言ったのです。国語の時間に教科書を朗読したかったのに、どんなに手をあげても朗読させてもらえませんでした。

以来、私は歌うことに自信が無くなり、自分の声は変なのだとずっと思っていました。

そして、ある日、テープレコーダーと言う機械があることを知りました。

大きなリールが二つ並んだその機械に自分の声を録音して聞いた時の衝撃は今でも忘れられません。
「なんて・・・・変な声・・・・・・先生が言ったのは本当だった・・・・」

そしてすっかり音痴になってしまった私。人の前で歌ったことがありません。

そんな私がなぜか高校時代に演劇部に入り、そして今は昔語りをしています。

でもいつも、心の隅にあるコンプレックスが消えることはありませんでした。ずっと私の声は変だと思っていました。

一方、おっとっとは高校時代から放送部。アナウンサーになりたかった人です。最近まで何かイベントがあると司会を頼まれていました。顔さえ見なければ、とても良い声をしています。

今回のナレーターが私と決まった時のおっとっとの落胆ぶりはお見せしたかったです。

撮影から数日後、私は一人で上京して、スタジオで録音をしました。
初めてのスタジオ。テレビドラマでは良く見るのですが、まさか自分が中に入るとは思いませんでした。

脚本を渡され、数回の練習。そしていよいよ本番です。なぜかドキドキもしなければ、震えもしません。極めて平常心。いや、むしろ楽しくてちょっとうきうき気分でした。

そして本番。

「はい!OKです!一発OKです!!」
スタジオから出てきたら、大勢のスタッフの皆さんが拍手をして下さいました。

「プロでも一発OKなんていうことはあまりないんですよ。すごいなぁ。とてもすばらしいナレーションになりましたよ」
とほめられました。

数時間かかるだろうと思っていた録音時間がわずか20分ほどで終りました。

帰りの新幹線の中で嬉しくてちょっと涙が出ました。
これで私の長年のコンプレックスとおさらばです。これからは胸を張って昔語りの舞台に上がれると思いました。

やっと自分の声が好きになれそうです。

by asahikanokami | 2009-07-25 21:35 | 私のこと | Comments(7)

撮影秘話(その14 アイバンクと臓器移植ネットワーク)

今回のコマーシャルに出演するまで、アイバンクと臓器移植ネットワークは同じだと思っていました。

私は臓器移植ネットワークの黄色い意思表示カードを持っていて、そのすべての項目に丸をしています。もちろん角膜も。

でも、アイバンクと臓器移植ネットワークは全く別な組織なんだそうです。

もちろん臓器移植ネットワークの意思カードに角膜提供の意思があれば、死後、アイバンクに連絡が行き、角膜提供できます。

しかし、アイバンクに登録していれば、即、角膜提供ができるのです。臓器ネットワークが間に入らない分、早く提供できます。時間が早いほど良いのだそうです。

改めてアイバンクに登録しました。

最近、臓器移植の法律が変わったので、大きくマスコミにも取り上げられて多くの方が関心を持ってくださいました。しかしまだ、多くの方が正しい情報を持っていないように思います。

そういう私も、十分な知識があるわけではありません。ぼんやりとしかわかりません。

臓器移植の場合は、心肺停止後に臓器を提供してもらい移植します。しかし、腎臓やすい臓などは血液が止まった後での移植は難しいのだそうです。せっかく提供してもらったのに、使えなかったのでは残念ですから。

そこで脳死での提供が必要になってくるのだそうです。脳死が人の死かどうかは、難しい問題ですが・・・・。

一方角膜は、死後に眼球を提供します。脳死で取り出す必要はありません。もちろん早いほうがいいのですが、提供はあくまで心肺停止後です。臨終を告げられてからです。

娘の時も先生が臨終とおっしゃった後で、数回呼吸をしました。そのため眼球を取り出しに一度出発したアイバンクのお医者さんが、いったん病院に戻りました。
その後、確実に心肺停止したとの連絡を待って再出発したといういきさつがあります。

角膜提供も脳死状態でするのだと思っている人が、結構多いのには驚きました。

臓器も角膜も、提供するかどうかは個人の意思です。他人に強要されるものではありません。

しかし知識として知っておくことは必要ですし、また、自分の死についても考えることはもっと必要だと思います。

死を考えることは、生を考えること。

命あるものはすべていつかは死を迎えます。その日のことをしっかりと考えておきたいと思っています。

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菜穂にとても良いチャンスをもらいました。

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by asahikanokami | 2009-07-24 22:11 | 私のこと | Comments(0)

撮影秘話(その13 反響)

7月1日からテレビやラジオや新聞でCMが流されるようになって24日が過ぎました。

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その間に多くの方から嬉しい感想をいただきました。
新地町長さんは涙声で
「感動したよ。菜穂ちゃんのことをいろいろ思い出して・・・・」
と。娘さんが菜穂と同級生ということもあり、小さいときから娘のことを知っていてくださるので、娘のことをいろいろと思い出してくださったのでしょう。

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「涙が出て・・・・・テレビ画面を良く見ることができなかった・・・・」
とおっしゃってくださったのは、Oさん。同じく息子さんが娘と同級生。
「ここまで・・・夫婦で乗り越えてきた月日を思うと・・・・・」
と、私たち夫婦の気持ちに同情して泣いてくださいました。

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「おんちゃん!おらたちの一族の中でコマーシャルに出たのは、おんちゃんが初めてでないか!!すごいなぁ~~!!
ほんでも、おばちゃんがナレーターで良かったなぁ。おんちゃんがナレータだったら、しゃべりすぎてコメディになるものなぁ」
と電話をくれたのは、親類の甥っこ。



そして7月8日の福島民報に、コマーシャル出演大きな記事が載りました。
カラー写真で、しかも、3面にでかでかと。

また、菜穂の同級生で、教師をしている方たちが、命を考える授業などで使ってくださるというのでDVDを差し上げました。

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我が家のホームドクターの猪苗代町小川病院の今田かおる先生が、郡山市での講演で、このことを紹介してくださいました。今後まだ数回、講演を頼まれているので紹介してくださるそうです。

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26日のラジオ福島でもわたしたちへのインタビューが流されます。時間は朝7時半から8時。番組名は「ザインタビュー」です。
番組司会の深野健司さんとの打ち合わせで、深野さんが感動してくださり、今後のアイバンクの講演や行事があれば、番組内で紹介宣伝してくださるとおっしゃってくださいました。


娘の角膜提供をブログで書いたことが、思わぬ方向でこうして取り上げていただき、多くの方に応援していただき、大きな広がりを見せています。ありがたいことです。
本当に感謝という言葉しかありません。ありがとうございます。

by asahikanokami | 2009-07-24 22:07 | 私のこと | Comments(4)

撮影秘話(その12 快楽園??)

それから次はポスターの写真撮りでした。

襖を取り払い、ふた部屋をぶち抜いての撮影です。

大きな白い紙を広げてその上に二人で立ちます。

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緊張したおっとっとの体が少しづつ左に傾いてきます。

「ご主人!!固くならないで!!体をまっすぐにしてください」

「はい。すみません」
と言いながらも、また少しづつ傾いてきます。

「どうしたの?緊張してるの?」

「うん。緊張してる。このポスターを見た人が皆、アイバンクに登録してくれるようにと念じて立っているんだぁ」

へぇ~~~!おっとっとにしてはなかなかいいことを言うねぇ。
と感心していると
「ご主人、レンズを通して見ていると作家の渡辺淳一さんに似てますよ」
と声をかけられました。

とたんに目じりを下げたおっとっと
「えっ?渡辺淳一?あの快楽園の?」

おっとっとよ!
快楽園ではありません。失楽園です。

快楽園ではまるでアダルトビデオじゃないですか!!


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by asahikanokami | 2009-07-16 21:45 | 私のこと | Comments(8)

撮影秘話(その11 レフ板)

次に撮影したのは縁側でアイバンクの登録書を見ながら、娘のことを思い出している夫婦という場面でした。

私たちは縁側に座っているので雨に当たることはありません。しかしスタッフの方たちは、外での作業ですので雨に当たります。

しかし全員が雨など物ともせず、きびきびと動いています。その動作の速いこと!すごいなぁ!

照明が当てられ、ました。すると大きな白い板がすっと差し出されました。あらまぁ!これが噂のレフ板ね。

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女優さんがしわやしみが見えなくなるように、顔の下から照明をあてるという、あれね。まぁ嬉しい!私ののしわ隠しかしら!!

一人でにこにこしてしまいました。

しかしこれは大きな勘違い。

このレフ板は私のしわ隠しのためではなくて、曇り空で暗かったためのレフ板でした。

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内心では
「もっと強く顔に照明をあてて、しわやしみが映らないようにしてほしいな」
とおもっていましたが、さすがに私でも、それは口にはできませんでした。

でも、あのレフ板のお陰でちょっとはしわが飛んだかな????

by asahikanokami | 2009-07-16 21:42 | 私のこと | Comments(0)

撮影秘話(その10 雨男VS晴れ女)

暑くなってきましたので、仕事が忙しくなってなかなか日記が進みません。ごめんなさい。

さて前夜、東京に降り立ったときにポツリポツリと降り出した雨。夕御飯が終った時には本格的に降り出してしまいました。

撮影は野外です。もし雨の場合は翌日に延期になります。しかし、天気予報は翌日も雨の予報です。すでに撮影場所の百草園は貸し切り予約をしているそうです。カメラマンも照明さんもスタイリストさんもメイクさんもスタンバイしているのです。

雨が降ったら困ります。食事中もホテルまでの車の中でも話題はお天気のことばかりでした。

「大丈夫です。明日は晴れます!!私は晴れ女ですから!!」
と宣言しました。これでちょっとは皆さんが安心するかなと思ったのです。

私は晴れ女です。出かける時はたいてい晴れます。雨が降っていても、車から降りると雨がやみ、また車に乗ると降るという具合で、あまり雨にあたることがありません。

明日は絶対に晴れます。

ところが、S社のKさんがとても申し訳なさそうに、小さな声で
「あの・・・・ぼく・・・・雨男なんです・・・・」

「えっ!Kさんは雨男なの?」

「はい・・・・・すみません・・・・・」

「よ~~し!こうなったら対決よ!雨男VS晴れ女。明日のお天気、どっちが勝つかな」

こうして始まったお天気合戦。

撮影日は、前日のような大降りの雨ではなく、小雨。そして時々止んで、止んでいる時をねらって、それっっとばかりに撮影をしたのでした。

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おまけに、二日ぐらいかかるかもと言われていたのに、とんとん拍子で進んで、夕方前には終了してしまいました。良かった!良かった!

雨男VS晴れ女。今回は引き分けといたしましょう。

by asahikanokami | 2009-07-16 21:40 | 私のこと | Comments(2)

撮影秘話(その9 1たす1はいくつ?)

心配していたお天気。前夜の大雨は小雨になっていました。
雨が止んだ時を狙っての撮影です。

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最初は坂道を歩くシーンです。坂道に葉っぱを置いて、そこがスタートとゴールの目印。

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アシスタントの若い方二人がお手本に歩いて見せてくれました。
なるほど。ゆっくりと歩くのね。

「では撮影を始めます。ご主人が奥さんに話しかけて、奥さんはうなづきながら歩いてきてください。では、よーい!スタート!!」

「何をしゃべったらいいんだべなぁ。何も話なんかないよなぁ・・・・」
とちょっと困惑していたおっとっと。突然に算数を始めました。

「1たす1は2だよな。2たす2は4だべ」

「(必死に笑いをこらえて)うん」

「4たす4は8。8たす8は16だべ」

「うん」

「16たす16は32.32たす32は64だよな」

「うん」

「64たす64は・・・・なんぼになる・・・あれ・・・数えられねぇ・・・」

「ぷっ!」

「はい!カット!!奥さん笑わないでください。笑顔でなく、しかし悲しい顔でもなく、普通の顔で歩いてください」

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ほら!ごらんなさい!!おっとっとが変なこと言うから噴き出してカットになったじゃないですか。

「はい!では最初から。よーい!スタート!!」

「1たす1は2だよな。2たす2は4だべ」

「うん(えっ!また数えるのかい!!)」

あれほど変なことは言わないでねと言ったのに、OKの合図が出るまでおっとっとの算数は続いたのでした。

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by asahikanokami | 2009-07-10 19:27 | 私のこと | Comments(7)

撮影秘話(その8 百草園)

翌日は7時半にホテルを出発。ロケバスというものに初めて乗りました。

と言っても普通のライトバンなんですけどね。
バスは都内を走って(なにせ方向音痴の私。おまけに東京の地理には詳しくないのです)どこをどう走ったかわかりませんが、道路案内板に「笹塚」の文字を見つけました。

お~~~!!笹塚!!

住んだことがあるわけではありません。まるで自分の娘のように可愛い、Hちゃんが以前に住んでいた所です。そう思って車窓を眺めると、なんだか懐かしい気がしてくるから不思議です。

そしてしばらく走ると今度は「日野市」という文字が見えました。

お~~~!日野!!

日野市は、仲良しのシャンソン歌手、美地さんが住んでいるところです。

みっちゃんはここで頑張っているんだなぁとおもうと、特別な場所のように思えます。とても良い街に見えます。

そして到着しました「百草園」。今日の撮影場所です。

かやぶき屋根の家やお茶室、池などがある広い公園です。あいにくの曇り空。そして時々小雨が・・・・。

「おかしいわね。私は晴れ女なのに」
と言うとKさんが
「すみません・・・・・。僕は雨男なんです・・・・」
と申し訳なさそうに小さくなって言います。

よ~~し!!晴れ女と雨男の戦いだぞ!どっちが勝つか!!

撮影の準備ができるまでお茶室で待機することになりました。

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by asahikanokami | 2009-07-10 19:24 | 私のこと | Comments(0)

撮影秘話(その7 スタイリストさん)

ゴールデンウィークまでの忙しさったら!

海外旅行から帰ってきて、時差ぼけなどと言っているひまもなく、忙しいまま連休に突入。

連休中の大忙しの日々を送り、5月6日に連休最後のお客様をお見送りした後、そのあと片づけをしてそのまま相馬発16時のスーパーひたちに乗りました。

東京に行くのには仙台まで出て、新幹線に乗ったほうが早くて便利なのです。しかし今回は常磐線でスーパーひたちです。

なぜなら連休最終日ということを忘れて、出発間近に切符を買いに行ったからです。当然、上りの新幹線は満席・・・・・でした。かろうじて夕方のスーパーひたちが、奇跡的に二席空いていました。

「お席が離れていますがいいですか?」
と窓口の駅員さんが言ったけど、願ったり叶ったりです。

おっとっとが隣でなければ上野まで眠っていくことができます。おっとっとが隣では、うるさくて寝ってもいられません。

待ち合わせの中目黒の駅に着いたのは20時半ごろでした。夕御飯をごちそうになり、ホテルに行きました。

ホテルで待っていてくださったのはスタイリストさん。

なんと!我々にスタイリストさんが付いたのです。ひゃ~~すごい!!

それからいっぱい持ってきた洋服の中から、とっかえひっかえ試着をして、コマーシャルのイメージに合う洋服を選んでいただきました。

なんと、靴もバックもイヤリングもすべて貸していただくことになりました。

こうして長い一日がやっと終わったのは23時を回っていました。

by asahikanokami | 2009-07-06 23:43 | 私のこと | Comments(3)

撮影秘話(その6 取材)

撮影の前に取材に、Kさんと制作会社のIさんがお出でになりました。

日帰りでの取材とのこと。

桜の名所に案内してほしいというので、新地町の観海堂、鹿狼山、そして相馬市の中村神社、涼ヶ岡八幡神社などをご案内しました。

Iさんはビデオカメラを片手にいろいろと取材をしていらっしゃいました。

説明をしていると時々カメラのレンズを私に向けます。
あらまぁ・・・美容院に行っておくんだったわ・・・・帽子をかぶっているからまぁいいかぁ・・・・。

などと思いながらカメラを気にせずに説明しました。

なるべく一目見ただけで相馬だとわかる場所がいいだろうと思って、そういう場所をご案内したのですが、それはちょっと間違っていたかもしれません。

なぜなら、出来上がったコマーシャルを見たら、撮影場所が特定できないような、言いかえれば日本中どこにでもあるような、視聴者が自分の町かなと思うような、そんな親近感が感じられる場所での撮影だったからです。

そしてもう一つ、取材をかねて、実は私とおっとっとのカメラテストでもあったらしいのです。

カメラを向けられても躊躇もせず説明を続けたので、度胸の良さは合格だったらしいです。普通はカメラを向けられると説明できなくなるんですって。

うっふっふっふ。心臓に毛が生えている私です。そんなことでは怖気づいたりしませんってば!

そして本番は桜の咲いているときに・・・・というご希望だったのですが、あいにく4月中旬の桜が満開の時期にはドイツとフランス旅行に出かけて、撮影できませんでした。

桜は撮影しておいて後でフイルムを繋ぐことになりました。そして撮影はゴールデンウィーク終了後すぐにということになりました。

by asahikanokami | 2009-07-06 23:42 | 私のこと | Comments(0)