朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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<   2011年 11月 ( 2 )   > この月の画像一覧


餅つきをしました

みなさん、コメントありがとうございます。
お返事を書かないでごめんなさい。とりあえず、ブログをいろいろ書いて、後でお返事を書きますのでお待ちくださいね。

お餅つきをしました。

junkoさんが、イタリアから一時帰国なさった時に、お友達のheeさんやお友達を誘って、お餅つきに来てくださいました。

junkoさんから
「お汁粉作りに行きたいんだけど、ほかに何かご希望がありますか?」
とメールをいただいたときに、すぐに頭に浮かんだのはお餅つきでした。

昔は、どこの家にも臼と杵があり、暮れになるとぺったんぺったんとお餅をつく音があちこちから聞こえていました。我が家にも大きな臼がありました。お餅をつくときだけでなく、お味噌を作るときにはゆでた大豆をつぶしたりもしました。

今は餅つき機が普及して臼で餅をつく風景もなくなってしまいました。それでもまだまだ、この辺りでは、お餅は買って食べるものというより、自分の家で(機械で)突いて食べるものという感覚があります。

「その時にロケットストーブも届けますから」
というので、そのロケットストーブというのも楽しみでした。

junkoさんとheeさんとお友達がやって来ました。車に臼や杵、お米やあんこやずんだやきなこや納豆た大根など、たくさんの荷物と一緒にロケットストーブもやって来ました。

ペール缶二つを重ね、煙突を組み合わせてセットして、断熱材を入れただけなのに、少しの薪でも火力が強く、風が吹いても火が消えず、何よりも持ち運びに便利というストーブに一目ぼれしてしまいました。

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「仮設を出て、自分の家に住むときに持っていきたい!!」
という、私のわがままにheeさんが車に積んできたストーブ5台全部をくださいました。嬉しい!!

そして餅つき。

これが仮設に来て、今まで一番楽しい行事だったのです。
人間は火を見るとほっこりします。なんだかウキウキします。ストーブでお湯を沸かし、お汁粉を作り、そして蒸しあげたもち米で餅つきが始まりました。

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我が家のお向かいの佐々木さんが合いの手を取ってくれました。毎年、一斗のお餅つきをするのだそうで、さすがにベテランの手つきは違います。

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皆でワイワイと大騒ぎで餅つきをしました。最後には区長さんまで飛び入りで餅をつき、とても楽しそうでした。

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そして、なんと!!今まであまり出てこなかった人たちが出てきてくださったのです。

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「久しぶりにもちつくところを見だなや」

「昔はどこの家でも突いたもんだ」

「餅好きな人は、一人で一升餅食ったもんだ」

どの顔も笑顔で・・・・・・私はなんだかうるうるしてしまいました。この頃年のせいか涙もろいのです。

junkoさんのお仲間は、仮設の皆に喜んでもらおうと一生懸命にサービスしてくださいました。

平日だったので、仕事に出かけている人も多く、子供たちも学校でした。

「楽しかったから、又餅つきすっぺ!!」

「日曜日だったらみんないるから、日曜日が良いどな」

「12月の11日にすっぺ!!」

と話がまとまり、また12月に餅つきをします。
これは、junkoさんたちの餅つきがものすごく楽しかったからに他なりません。

本当に楽しかった!!

餅つき隊(ロケットストーブ隊?)のみなさん!!ありがと~~~~!!

by asahikanokami | 2011-11-29 23:00 | 避難生活

ダライラマ14世の講演

ずいぶんとブログの更新が滞ってしまいました。
なんだか出かけることばかり多くて、11月と10月の二か月間で、一日自宅にいたのは10日あったでしょうか。家にいる日は、たまったお洗濯物と格闘し、家中の掃除に汗を流し・・・・・という具合でした。

さて、言い訳はこのぐらいにして、この二か月間のことをいろいろ書きたいと思います。時系列で書けばいいのでしょうが、何しろさっきのこともすぐに忘れてしまう私。どうしても書きたいことから順番に書いていこうと思います。

まずは、11月6日に郡山市までダライラマ14世の講演を聞きに行ってきました。

前日石巻市を訪れ、津波の犠牲者に般若心経で供養してくださり、6日は仙台の高校を訪れ、東京に帰る途中、ダライラマ14世のたっての希望で郡山市で途中下車なさったのだそうです。

チケットに「駐車場がありません。公共の交通でおいでください」と書いてあるのを見落とし、駐車場を捜し歩いているうちに、1時間前に着いたはずが開演ギリギリの入場となりました。そのために席が一番後ろでした。

はるか向こうに小さくダライラマ14世のお姿が見えました。会場には2千人を超える人が集まり熱心に聞いていました。

英語で話され、同時通訳の人が話すのを聞くというスタイルでした。こういう時、いつも英語が理解できたらと、自分の不勉強を悔しく思います。

さて、どんなお話をしたかというと、私のメモなのでうまく伝わるかどうかわかりませんが、二時間の講演をかいつまんで書いてみます。もしかしたら聞き間違いや勘違いもあるかもしれませんが、ご容赦ください。

「苦しみを乗り越え、困難に打ち勝つ力~地震・津波・放射能被害に苦しむ福島の人たちのために」


57年間、亡命し、難民として生きてきました。そのおかげで、世界の異なった考え方の沢山の人と出会えました。

天災は別として、ほとんどの苦悩は人間が自らの手で作り出したものなのです。
それが大きな問題となるのは、現実に対する認識が不十分だからで、物事は全体的に認識しないとなりません。
視野を広げ、正しい現実を知るべきです。

そのために重要なのが教育なのです。
人間は物質的・技術的・外面的には進歩し、高められてきました。

一方で、心の中の良き資質を高めること、内的世界を、教育を通して高めることがなおざりにされてきました。人間として一番大事にしなければならないのは、やさしさと思いやりなのです。

知識・教養・脳の活性化のみを考えていれば良いのではありません。
他の生命あるものの痛みを分かり、思いやりを持つことが大事なのです。
心が正しければ、おのずと行動も正しくなります。

どの宗教も突き詰めていけば愛と慈悲を説いています。どんな宗教でも根本は同じなのです。
愛と慈悲の心を持って他者を助けたり、社会に貢献してゆくことこそ大事なのです。
もしそれができないのなら、せめて他者に迷惑をかけないようにするべきです。

愛と慈悲を持って体を健康に保ち、心の平和に務め、それが家庭の平和に繋がり、それが社会の平和になり、そして世界平和になります。
そのためにも教育は大事で、教育を通して平和な心を高めていく必要があります。

物質的に恵まれていても、心が満たされていない人をたくさん知っています。物やお金で心の平和は得られません。自分自身で。心の資質を高めて初めて、心が平和になります。

福島の人たちは、今、大変な困難に立ち向かっています。
どんなに困難な状態であっても、精神力があれば乗り越えられます。悲しみを力に変えてゆくこと、そして、精神力を奮い立たせて、楽観的に立ち向かっていくことが大事です。

どんなに悲観的な状態であっても、なにか大きな問題に直面した時は、穏やかな心で、自信を持って、全体的にアプローチしていくことが必要なのです。

悲観的な気持ちでいると免疫力が低下します。免疫系がしっかりしていれば、肉体的な健康は守られます。
もし、精神が乱れていたならば、小さな問題ですら耐えられないでしょう。

楽観的な考えでいることは免疫系をアップします。楽観的に考えましょう。

私たちは社会的な動物です。皆、人間社会にいるのです。
私たちは、人間の知性を使って、苦しんでいる人を救わなければなりません。

皆さんは一人ではありません。世界中、すべての人が、あなたたちと一緒にいると思いましょう。
一人ではないのです。みんな一緒にいるのです。

地球温暖化により、今後さらに自然災害が起きるかもしれません。高い土地に引っ越し、情熱をもって家を建て、堅固な家族のきずなを作っていくほうが良いでしょう。

私は、思いやりの種を授けてくれた母に感謝しています。
母からもらった心の温かさと慈悲が、楽観的に生き、内なる強さを得るための根本になっています。

本当の思いやりの心を持つことで、最初に恩恵を得るのは自分自身です。誰でもありません。
本当の心の温かい人は、物事を肯定的に、偏らずに見るための自信と決断力を与えてくれます。

世界70億の人類の一人一人が、何かしら不安や不満を持って暮らしています。
不安なのはあなただけでないのです。誰でもそうなのです。

どうぞ心配しないで下い。
大丈夫です。

楽観的になりましょう。

Don't worry!

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以上がだいたいのお話の内容です。
何度も手を振って、出口のところまで振り返り、振り返り
「Don't worry!  Don't worry!」
と繰り返しながら帰って行かれたお姿に、なぜか涙が止まりませんでした。

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by asahikanokami | 2011-11-28 15:46 | 避難生活