朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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<   2013年 03月 ( 3 )   > この月の画像一覧


拍子木

昨日開催されたマイタウンマーケットのことを書こうと思いましたが、ちょっと感動したことがあったので、そのことを忘れないうちに書こうと思います。最近、とみに物忘れがすごいのです・・・・・・。

昨日のマイタウンマーケット。
いろいろな催し物が準備されていたのですが、あずさちゃんと私は「チーム 紙芝居」として紙芝居を読むことになっていました。

私は、広島県の「東北まち物語紙芝居化100本プロジェクト」さんから頂いた「手長明神」と「あんこ地蔵」という、新地の昔話を読むことになっていました。
この紙芝居を送ってくださった「東北まち物語紙芝居化100本プロジェクト」の方たちは、津波被災してさらに原発の放射能で困難を極めている福島の人たちに元気を届けようと、その土地の物語を100本の紙芝居にして送ってくださっています。

自分たちの土地の話や身近な人たちの物語を紙芝居で見ることで、少しでも元気になってほしい、そして、この災害を風化させることなく、ずっとずっと伝えていってほしいという願いを込めて。
本当に嬉しくてありがたいです。

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(マイタウンマーケット実行委員長の横山さんと)

あずさちゃんは、「マイタウンマーケットの歴史」と、「マイタウンマーケットが開催されるまで」と、前回のマイタウンマーケットで子供たちがシナリオを書いて上演した「マイタウンレンジャー」の3本を自分で紙芝居に作り上げました。紙芝居の舞台も自分で作りました。がんばりました。

さて、前日のリハーサル通りに拍子木を打とうとしたとき、仮設に住んでいるGちゃんが突然拍子木を奪いました。取り返そうとしても
「僕がやる!」
と手放しません。困ってしまいました。

なぜなら、Gちゃんはは軽い知的障害があるのです。いつも子供たちが集会場で遊んでいると、突然現れて走り回り、遊んでいるゲームを奪って壊したり、無くしたりします。子供たちはGちゃん現れると、自分の持ち物を素早く隠します。

はてさて、困ったことになりました。せっかくあんなに練習をしたあずさちゃんの紙芝居の最中に、拍子木を乱打されたらどうしましょう。第一、始まりの拍子は大事です。上手に打ってもらわないとなりません。

その時、Gちゃんが小さな声で
「チョン、チョン、チョンチョンチョンチョン、チョーンチョン」
と、打ち方を確認している事に気がつきました。

「よ~し、Gちゃん、がんばれ~!」
「ちゃんと打てよ~!」
「がんばれ~~!」

あちこちから声援が飛びました。
いつになく神妙な顔をしてGちゃんが拍子木を打ち始めました

チョン、チョン、チョンチョンチョンチョンチョン、チョーンチョン!

その見事な拍子木に、期せずして大拍手がわき上がりました。
得意そうなGちゃん。そこにいた人全員が笑顔になりました。

あずさちゃんはとても落ち着いて、上手に紙芝居を読みました。
心配したGちゃんは、拍子木を離さなかったものの、途中で邪魔することもなくおとなしく紙芝居に聞き入っていました。

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さて私はというと、マイクの調子が悪くなって拡声器で紙芝居を読むという、楽しい体験をしました。

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そして、さらに、プロの紙芝居師のなっちゃんが飛び入り参加。
プロの素晴らしさを見せてくれました。
なっちゃんは被災地を回って、紙芝居を通して元気を届けているのだそうです。
また来てくださるというので、再会を楽しみにしています。

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by asahikanokami | 2013-03-31 11:10 | 避難生活

OKBの店

3月30日に新地町小川仮設で第7回マイタウンマーケットが開催されます。

子供たちが主役のこのイベント。子供たちは1月ごろから準備をしています。
最近は毎日、集会場に集まって、いろいろなものを作っています。
その手際の良さは、7回というマイタウンマーケットの歴史のなせる業です。

今回で7名の子供の中から2名が卒業です。中学生になっても手伝うと言ってますが、お勉強も部活も忙しくなることでしょう。

それでもなんとか、残ったメンバーで次につなげたいというので、エコたわし編み隊も応援することにしました。
みんなでいろいろなものを作って売って、それを次回開催の費用に寄付しようと決めました。
みんなでせっせとタオルかけを編みました。57個も出来上がりラッピングをしました。

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私は、刺し子のウサギを縫いました。一個200タウンです。タウンというのは、マイタウンマーケット内で流通する紙幣の単位で、一タウン一円です。

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それから編みぐるみの小さなストラップを作りました。最近、老眼になって小さい物が見えにくいのですが、眼をしょぼしょぼさせて編みました。
NHKの復興応援ソングの「花は咲く」にちなんで、お花を持たせてみました。これは300タウンです。

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それから、大きなクマさんも編みました。
マダガスカルヒルヤモリも編みました。くまさんは300タウンです。ヤモリは編むのに苦労したので600タウンです。

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そして、編み隊のメンバーのカツヨさんが、かわいい物をいっぱい縫ってくれました。
めんこちゃん人形
めんことはかわいいという意味です。

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小さなポシェット。中にほおずきのストラップのおまけが入っています。

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にゃんこちゃんの壁掛け。編んだ小さな魚までついているという力作です。

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それからお祈りしているお人形。見ていると涙がこぼれます。

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これらをOKB(小川仮設ばあちゃん)の店として売ります。
看板も作りました。

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これらはすべて、3月30日に開催されるマイタウンマーケットの会場でしか手に入りません。
どうぞ皆様、福島県新地町小川公園仮設の集会場前に11時までにおいでください。

by asahikanokami | 2013-03-26 12:30 | 避難生活

忘れてはいけない

ブログを書けずにおりました。
被災した方や家族を亡くされた方が、私のブログを読んで、悲しまないだろうか、苦しまないだろうかと思うと、書いたものを掲載できずにおりました。

だからと言って、楽しい出来事ばかりを書いて
「もう、こんなに復興が進んでいるのなら支援しなくても良いかな」
と思われたらと恐れたりもしました。

被災地は復興が進んでいます。
でも、各市町村でその進捗状況は違いますし、同じ新地町でも場所によってさまざまです。
人間も同じで、歩き始めた人もいれば、立ち上がることもできない人もいます。

こんなに元気な私でさえ、日によって元気がない時もあります。
それは仕方がないことです。

考えれば考えるほど、ブログを書くことが苦痛でした。
どんな人が読んでくださっているのかわからないブログに、いろいろ書くことが恐怖でさえありました。
自分の思い通りに受け止めていただけるか不安でした。

昨年のスペイン・ポルトガル旅行記は、とうとう途中で書くことを断念しました。
のんきに旅行記を書いているのが申し訳ないような気分になったからです。

でも、最近、ちょっと思い直しています。
それは、被災後の自分のブログを読み直してみたからです。
あの日々のすっかり忘れていた自分の思いをもう一度思い出しました。
そして、やはり、その時々の素直な感想や思いを記録しておくべきだなぁと思いなおしました。

読んでくださる方は、それぞれにいろいろな感想を持たれることでしょう。
でも、私は私の気持ちを書き留めておくべきだと。

2年たって、新地町も復興が進んできています。
それを記録して行きたいと思っています。

忘れたいけど忘れてはいけない、そう思います。

by asahikanokami | 2013-03-26 11:32 | 避難生活