朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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<   2013年 04月 ( 2 )   > この月の画像一覧


花見山

昨年は、念願だった滝桜が満開の時に見に行くことができました。
さて今年のお花見はどこに行こうかな??

ご近所さんを誘って福島市の花見山に行くことにしました。
おととしは、東日本大震災でまだ避難所暮らしでした。
その日、その日を生きるのに必死で、いつ桜が咲き、いつ散ったかさえ気がつかないうちに春は過ぎていきました。
そして昨年の花見山。大震災で崩れた場所の補修なので閉園でした。

待ちに待った今年の花見山。ニュースでは大勢の方が訪れていると言います。
それでなくても、秋山庄太郎さんが「桃源郷」と言って、写真集で宣伝してくださったおかげで、毎年毎年、訪れる観光客は増えているのです。

行くなら朝か夕方のすいている時間にというので、朝、7時に仮設を出発しました。
裏道を知っている人がいて、その車の後をついていったら8時過ぎには駐車場に到着しました。
その時点で、駐車場はほぼ満車。ずっと端の方にやっと止めることができました。

花見山は桜が満開。
ふっと、以前、お友達の尚ちゃんと息子君と手を繋いで、花見山の桜吹雪を浴びながら歩いたことを思い出しました。もし、菜穂子が元気だったら、こんな風に孫と手を繋いで歩いたかもしれないと、涙が出そうでした。そして、私の思いをそっと受け止めて、何も言わずに手を繋いで歩いてくれた尚ちゃんの優しさを思いました。

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そんなおセンチな気分で歩いている私を、仮設の皆の笑い声が励ましてくれます。
みんなの元気なこと!その笑い声は花見山の観光客の中では一番高くて、ちょっと離れてもみんながどこにいるのかすぐにわかりました。

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毎日、狭い仮設の中で、お隣の迷惑にならないように声を潜めて、身を縮ませて生活しています。
大自然の中では開放的になり、こんなに笑顔で、こんなに大はしゃぎできる。
早く、誰に気兼ねすることなく大きな声で笑い、話せる、自分たち本来の生活を取り戻したい!
切にそう思いました。

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by asahikanokami | 2013-04-21 13:40 | 避難生活 | Comments(9)

春が来て

春が来ました。

仮設の中も暖かい雰囲気が満載!!

暖かい春風。咲き始めた花々。鳥の声。過ごしやすい気温。ちょっと霞んでいる空。
そんな春の風景はもちろんですが、自分の家を建てる場所が決まったことが仮設の空気を明るくしてくれています。

被災地で一番早く代替え地が決まった新地町。
それは「困ったときはお互い様」という新地人の気風で、先祖代々受け継いだ山や土地を
「同じ町民として、困っている人たちを見過ごすことができません」
と、私たちのために提供したからに他なりません。

こんなありがたいことがあるでしょうか。
そんな心のこもった土地に家を建てられる幸せを感じずにはいられません。ありがたいです。

相馬市やお隣の山元町は、支援住宅の建設が終わって仮設から引っ越した人がいます。それなのに新地町は遅れていて、やっと造成が始まったばかりです。

でもそれは、町と町民が丁寧に話し合って、お互いに納得するように時間をかけたからなそうです。
丁寧に進めると遅れます。納得しないまま急ぐと不満が残ります。スピードを取るか、納得を取るか。
これから先祖代々、永遠に住み続ける場所なので、納得の方を重視した結果だと思っています。

さてその代替え地の造成。作業員不足、重機不足で遅れていましたが、それでも少しづつ前進しています。

代替え地の見学会があり、おっとっとと参加しました。
大きな山の木を伐採して、急な坂が無いように山を切り崩す作業をしていました。
まっすぐ西に鹿狼山。海は見えません。ちょっと残念。

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そしてこの辺りが我が家になります。西の一番端。

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見学後、どこの区画を自分の宅地に欲しいか話し合いが行われました。
希望者が多い区画はくじ引きです。

我が家は200坪申し込んだので、200坪の人は二人しかなくあっさりと決まりました。
他の人たちは、何度もくじを引いて、やっと全員居場所が決まりました。

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都会の人たちは、100坪とか150坪というと
「何軒分ですか?」
と聞きます。田舎では、200坪、300坪の家は普通なのです。地代も信じられないほど安いですしね。

自分の住む場所が決まったら、家の設計ができます。
どんな家を建てようかと、夢と楽しみができました。

「あんたの家どこ?」
「〇〇さんの隣」
「よかったね」
という会話が、仮設のあちこちから聞こえました。

仮設の中がぽかぽかしているのは、春が来たばかりではないようです。

そして、元の我が家がどうなっているかというと、残っていた土台の撤去が行われています。
間もなく更地になることでしょう。

明治初期から、ここで商売をしながら生活し続けてきた、なにもかもが、すべてが無くなります。
地の底に引きずり込まれるような、この寂しさはどこから来るのでしょう。
後ろを振り向かないって決めたのになぁ・・・・・・・・。泣かないって決めたのになぁ・・・・・・・・。

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by asahikanokami | 2013-04-02 09:49 | 避難生活 | Comments(9)