朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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<   2013年 08月 ( 2 )   > この月の画像一覧


仮設の迎え火、送り火

元住んでいた釣師地区では、昔からお盆の13日には迎え火を、16日には送り火を、自宅前で焚く風習がありました。

仮設に住むようになって、最初のお盆は、多くの人たちの新盆でした。
仮設は、多くの人が住めるように、通路を狭くしてびっしりと建物が建っています。

その前で送り火や迎え火を焚くのは危険です。
でも、新盆だから、迎え火を焚いて亡くなった人の魂に帰ってきてもらい、送り火を焚いてまた帰っていってもらいたいと、多くの遺族が願いました。

行政から
「本当は、仮設内で火を焚くことはできないのだけど、見なかったことにします。そのかわり、火の用心だけは厳重にしてください」
といわれ、新盆の送り火を焚きました。

そして今年は、仮設で迎える三回目のお盆です。

いつものように、通路で迎え火を焚き、花火をし、スイかを切って食べました。
なんだか今年は、まきの数が多くて火に勢いがあります。こんなに大きな炎ですから、ご先祖様も迷わず我が家に帰ってきてくれたと思います。

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火を焚きながら、空に向かって
「こっちが我が家ですよ。釣師に行ってもお家はないのよ」
と娘に語り掛けました。

迎え火が終了してから
「今年は薪が多かったね」
と言ったら、おっとっとが
「あっ!」
と大声をあけました。どうやら送り火の分まで焚いてしまったみたいです。
ええっ・・・・・・送り火はどうするの・・・・・

「大丈夫だ。二束残っていた。なぁに、盛大にご先祖様をお迎えして、ひっそりと送れば良いべ」
と、いかげんな自治会長(おっとっとが自治会長です)

迎え火当日。いい加減な自治会長をサポートしている役員の人たちが、あちこち手配して薪が集まりました。
いつもよりも大きな炎で送り火がたかれました。

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今年の末には、全員が代替地を取得します。そしたら来年には自宅建設ができます。

仮設での迎え火、送り火は、今年が最後になることでしょう。

行く夏を惜しむように、マイ缶ビールを持ち出して飲み始めるおとうさんたち。
いつまでも立ち話をしているおかあさんたち。

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夜がゆっくりと更けていきました。

by asahikanokami | 2013-08-22 13:41 | 避難生活 | Comments(4)

伊達と相馬の戦い

先月27日に新地町の相馬共同火力新地発電所内のわくわくランドで、「伊達と相馬の合戦」が行われました。

実はこの日は、相馬野馬追い祭りの初日なんです。
野馬追いの出陣式を見た後、観光客は海に流れてきて、潮干狩りや海水浴を楽しむのが例年のことでした。

しかし、震災後は海で遊べなくなりました。

そこで、出陣式の後、何かイベントはできないかと、相馬と新地の若者たちが立ち上がりました。
新地町は、その昔、相馬藩と伊達藩が、陣地を巡って争ったところ。
現代でも、綱引きをして友好的な戦いをしようじゃないか!!

綱引きだけではなく、合戦に参加する人全員が合戦に参加できるようにと、いろいろな趣向が凝らされました。

まず、受付で伊達藩(イメージカラーは黒)の応援か、相馬藩(イメージカラーは赤)の応援か決めます。
イメージカラーの鉢巻きを締めて、合戦の参加券をもらいます。これで準備はオーケー。

いよいよ合戦が始まりました。

まずは、各藩の応援団長にまつわる紙芝居合戦。
伊達藩は、新地町に伝わる昔話から、応援団長は「鹿狼山の手長明神」です。
一方、相馬藩は丹下左膳です。小説の中では丹下左膳は、相馬藩の武士だったんですね。町おこしにと、相馬市磯辺に「丹下左膳の碑」が建てられました。
ギネスに登録されるようにと、大きな碑を用意したら、建設予定地が県立公園だったので高さ制限がありました。
そこで、しかたなく深く埋めて、高さ制限をクリアしました。
それが幸いして、今回の津波にもびくともしませんでした。
その紙芝居を、碑の建立に尽力なさった佐久間さんが読みました。
新地町の「鹿狼山の手長明神」は私が読みました。
合戦の結果は9対1で伊達藩の勝ちでした。やったね!(私は紙芝居を読んでいたので写真はなしです)

メインは、やはり綱引きです。
小さいお子さんたちはかわいかったです。

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圧倒的に強かったのは、相馬消防署のメンバーです。合戦というので、ヘルメットを兜にして参加してくれました。

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相馬藩のボランティアグループが対戦した時に、人数を2名増やしたのに、負けてしまいました。

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そして何と言っても、一番盛り上がったのは、伊達武将隊のみなさんです。
朝早くから相馬市内でチラシを配ってくださったり、一日中笑顔で参加者との写真撮影におうじてくださいました。
さすが、自らを「おもてなし武将隊」と名乗るだけのことはあります。正宗様も必死に綱を引きます。

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さて、綱引き以外の合戦はというと、まず射的合戦。
お互いに、敵陣の武将めがけて鉄砲を撃ちます。

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それから、ちびっこに大人気だったのはスーパーボールすくい合戦。
スーパーボールの大きさや色で点数が入ります。

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巨大だるま落としもありました。
こちらは、なかなか難しかったようで、成功した人は少ないようでした。

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そしてフィンガーフード合戦。
相馬と新地のおいしいものが、一口づつ乗っている紙皿を、おいしい藩のほうに入れます。

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さて、すべての合戦が終了して、僅差で相馬藩が勝ちました。

私は、室内でエコたわしの並べて、毛糸代の支援をお願いいしていました。(わくわくランド内では物品販売ができないのです)
ご寄附200円に対して、お好きなエコたわしを一つお礼にさし上げました。
室内にいたので、外で歓声が聞こえるたびに飛び出して、写真を撮りました。
時々しか見ることができませんでしたが、参加してくださった人たちは思いっきり楽しんでいるように見えました。

この日の入場者は、500人ぐらいだったそうです。
何よりも、相馬市と新地町の若者が、力を合わせて大きなイベントをしたということが、一番有意義でした。

by asahikanokami | 2013-08-01 12:55 | 避難生活 | Comments(5)