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じゃらんの朝日館のページに「ご希望があれば女将が昔話をします」という旨を書いてあります。
しかし、今まで昔話を聞きたいと言われたのは4回しかありません。 その4回目は今年の夏でした。 5歳のお嬢ちゃんに昔話をしてくれというのです。 困ってしまいました。いままで一番小さい聞き手は小学二年生です。それでも3分ほどのお話を聞いてもらうのは大変でした。 まず方言が理解してもらえない。いろりとかわらじとか、昔の日常用具を見たことが無いので、名前を聞いても想像できない。したがって、お話の内容を理解してもらうのが大変なんです。 一度は(というか二度も三度も)丁寧にお断りしたのですが、どうしても聞かせてほしいといいます。しかたがないなぁ、やってみるか!! たくさんあるお話の中から、わかりやすくて短めのお話を選んでみました。 「むか~~し、むかし。ある所にお爺さんとお婆さんが住んでいたったと。ある日の朝、お爺さんは戸の口を掃いていて豆っこをひとつ、見つけたと。 『婆さんや、婆さんや。この豆っこ、なじょにすっぺ』 『お爺さん。炒って石臼で引いて黄粉にすっぺ』 お爺さんは大きな鍋に豆っこ入れて、ガァラガァラと炒ったれば、豆っこは鍋いっぱいに膨れたと。それを石臼でズゥリズゥリと引いて粉にしたと。 さてこれを粉と皮とにふるい分けなくてはなんねぇ。あいにくふるいが無かったと。 『婆さんや、隣さ行ってふるい借りてこ』 『隣の家の前に犬がいて吠えられるから、おっかなくて(怖くて)行かれね』 『ほんでは後ろから行ってこ』 『後ろにはべごがいてモ~と鳴くがら、おっかなくて行かれね』 『ほんではなんでふるうべ』 するとお婆さんが 『爺さんのふんどしでふるうべ』 と言ったのでお爺さんのふんどしの端でふるって黄粉にしたと。 『婆さんや、この黄粉、どこに置くべ』 『上の棚に置けばネズミがなめるし、下の床に置けばネコがなめる。ほだ!ほだ!寝床の爺さんと婆さんの間に置いて寝ることにするべ』 ということになって、お爺さんとお婆さんの間に置いて寝たと。 そしたら夜中にお爺さんがおっきな屁を 『ボン!』 とたったもんだから、黄粉が全部バフラっと飛んで行って無くなってしまったと。 おしまい」 とここまで話したら、そのお嬢ちゃんはとても楽しそうに大笑いをしてくれたのでした。 良かった。 とほっとして・・・・実はこの後、大失敗をしてしまったのです。 つづく
by asahikanokami
| 2009-09-12 09:05
| 昔話
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