元朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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10・一歩

後に見学したのは高畠町にあるワイナリーです。
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ワインが出来上がる行程を見学しました。
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実はけっこう何度も高畠には遊びに来ているんです。有名な亀岡文殊堂があるので、子ども達が受験の時はここまでおまいりに来ました。

「むくどりの夢」や「泣いた赤鬼」など、私の大好きな童話で有名な浜田ひろすけさんの記念館もあるんです。

また高畠駅には温泉があってとても安く入浴できます。休憩所で休んでいると、見ず知らずのおばちゃんたちが話しかけてきて、自慢のお漬物や煮物をご馳走になったこともあります。

そしてもちろん、ワイナリーにも何度も行きました。
ここではおいしいワインを試飲できます。

みなさんはさっそく試飲の所に列を作っています。
値段の高いワインの試飲の列が長いのは当たり前なのでしょうか。

我夫婦はもちろん、試飲の列ではなくてワインソフトクリームを買って食べました。ほんのりワインの香りがしておいしかったです。

これで研修旅行は終わりです。

やはり、娘のいろいろな思い出がよみがえって、時には辛い思いもしました。

でも、今までと違っていることもありました。
それは、今まで思い出すのは闘病中の娘の事ばかりでした。
しかし、今回思い出したのは、元気な頃の娘の顔です。ニコニコ笑っている娘の顔でした。

「元気な頃の私を覚えていて欲しい。病気だったことは忘れてね」
いつか娘に言われたことがあります。

もし、私が娘だったらやはり同じように思うことでしょう。
元気な時のニコニコ笑っている自分を、楽しそうな自分を思い出して欲しい。病気の時の辛い顔の、やつれた顔の自分は忘れて欲しい。

鶴岡でも思い出したのは、娘が作ってくれたご飯、一緒に買い物に行ったこと、温泉にも行った・・・卒業式の娘・・・いつもいつも、元気でにこにこしていて、私のことを気遣ってくれていた娘の笑顔。

今思い返すと、娘が生まれて亡くなるまでの間、一度も娘のことで悩んだこともなく、私に心配かけたこともありませんでした。手のかからない子でした。

きっと普通の人が一生かけてする分量の親孝行を26年間でやり遂げてくれたのでしょう。たくさんの喜びと希望を味わわせてくれました。

ありがとう、菜穂子。
又生まれ変わってもお母さんはあなたのお母さんになりたい。

そして、最後になりましたが、ずっとずっと私を見守って応援してくださったお客様、おともだちのみなさん、ありがとうございました。

この旅行で私は又一歩、踏み出せた気がします。

by asahikanokami | 2006-04-15 09:54 | 亡くなった娘の話
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