元朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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川越紀行(2.もう待ってられない)

仙台駅では30分の待ち合わせ時間があります。

そこでおっとっとはそのまま新幹線のホームへやり、私は改札を出て朝ご飯を買いに行くことにしました。

「何がいいの?」
「何でもいい。おまえに任せる」

でも、この『何でもいい』が曲者なのです。
何でも良いといったからといって、おむすびとお茶など買おうものなら
「おむすびとお茶かぁ・・・・。俺はいらない。おまえが食え」
と言うに決まってます。

おっとっとの『何でも良い。おまえに任せる』は『何でも良いわけではない。俺の好物を買って来い』ということです。

おっとっとが絶対に文句を言わないで食べるお弁当は・・・・やっぱり『牛タン弁当』でしょうね。朝からお肉!なんて驚かないでください。そういう人なんです。

私は押し寿司にしました。そしてお茶ではなくてコーヒーショップでホットコーヒーを買いました。

さて牛タン弁当を見たおっとっと。にやりとしました。
まだ発車前だというのにお弁当の包み紙をほどいています。

「発車してからにしたら」
「そうか・・・・」

牛タン弁当の底には紐がついています。それを引っ張ると発熱体に水分がかかって水蒸気を出し、待っていると熱々の牛タン弁当になるという仕組みです。

嬉しそうに紐を引っ張って水蒸気がシュワ~~ッと上がるのを眺めているおっとっと。

「もう良いかな」
「まだじゃないの。7,8分後にお食べくださいって書いてあるよ」

「まだかな」
「まだじゃないの。やっと5分ぐらいたったところだよ」

「まだかな」
「もう少し待ったら」

「もう待ってられない」
子どものようなおっとっと。
たった2,3分が待てない。

「大丈夫。充分熱いよ」
嬉しそうに牛タン弁当をかき込むおっとっとなのでした。

         (つづく)

by asahikanokami | 2006-05-27 23:40 | うちのおっとっと
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