元朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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覚悟

福島中央テレビで放送になったゴジてれシャトルの「さくらぶみ 天国の娘への手紙」を見たという人から声をかけられます。

「見ましたよ」

想像以上に多くの方が見てくださったことが嬉しい。
そして何人かの人から
「娘さんは死ぬ覚悟をしていたんですね。すごいですね」
と言われました。

私を励まそうと暖かいお気持ちで言ってくださっているのが理解できるから、あえて反論などせず
「ええ・・・まあ・・・・。ありがとうございます」
とあいまいにお礼を言っています。

でも、娘よ!お母さんはちゃんと知っています。
あなたがしていたのは『死ぬ覚悟』ではなくて『生きる覚悟』だったと言うことを。

だから、最後はなんの治療もできなくて、痛み止めのモルヒネを使うしかなかったのに、あなたはモルヒネの使用よりも激痛に耐えることのほうを選んだ。

「モルヒネを使うと意識が混濁するから嫌。最後まで私でいたい。意識をはっきりと持っていたい」

2度目の手術の時も自分の能力や機能を失うことよりも、たとえ癌を取りきれなくても今のままでいることを選びました。

そして、最後まで自分の人生だから自分の思い通りにすると、一日、一日を投げ出さず、やけにもならず、一生懸命に生き抜きました。

おかあさんは、もし自分があなただったら、はたしてそのように覚悟が出来るだろうか、そのように生き抜いていけるだろうかと考えるととても自信がありません。

あなたの話が出るたびに、とても誇らしくそしてちょっとだけ悲しくなります。

いつも母の日にはお花を贈ってくれましたね。もう、あなたからお花は届くことはありませんが、おかあさんの胸の中には、いつも散らない桜が満開に咲いていますよ。

by asahikanokami | 2007-05-13 23:35 | 亡くなった娘の話
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