元朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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天国への請求書

友人のなおさんは山形県の住人でした。生まれも育ちも山形。
この三月にかわいい坊やと美人の奥様を残して急逝してしまいました。

なおさんは今頃になるといつも
「女将さん、ちょっと遅い誕生日のプレゼントにさくらんぼを送ります」
って、さくらんぼを送ってくれるのでした。

なおさんから届くさくらんぼは、特別美味しくて甘くて、そこの農園のさくらんぼを食べたら他のさくらんぼは食べられませんでした。

その農園はなおさんのお友達なそうです。

それでいつもなおさんに、知人へさくらんぼの発送をお願いしていました。

ところが・・・・・実は・・・・・農園から届く請求書には、我が家に届いた分までのさくらんぼ代が入っていました。

なおさんに言うのもはばかられ、ちょっと遠慮して、自分で美味しく食べたんだからいいかぁ~と、お代を支払っていました。

おととしも、去年も。

請求書よりもさくらんぼが先に届くので、その時に御礼のメールをするから、なおさんはきっと自分がさくらんぼ代を支払っていたと勘違いしていたと思います。

「なおさん、プレゼントのさくらんぼの請求が私のところに来たよ」
って今年こそ言おうと思っていました。

それを察したのか、なおさんはさっさと私の苦情が届かない遠い所に引っ越してしまいました。

とうとう言えないまま・・・・になってしまったなぁ・・・。

今年は農園から直接、注文書が届きました。今年はなんだか悲しくて、さくらんぼを食べることが出来そうにありません。
知人にだけ送ろうと思ってます。

なおさん、そちらにも美味しいさくらんぼがありますか?なんなら、山形の美味しいさくらんぼをお送りしましょうか?そのかわり・・・・請求書も送りますよ。

by asahikanokami | 2007-05-15 09:27 | 友人のこと
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