元朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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南イタリアの旅 20 (イタリアのおじさんにぼやかれた)

さて、マテーラ。最近観光地として脚光をあびています。世界遺産にも登録されました。

しかし、困ったことがあります。トイレがないのです。
それで仕方がなく、バールでチップを支払ってお手洗いを借りることにしました。一つしかないので皆が使うには時間がかかります。

皆がお手洗いにいている間に、近くにあった教会を見学することにしました。ギィっと重い扉を開けると、中は薄暗いです。

f0061402_15453575.jpg


目が慣れてくると見えてきました。 すばらしい教会です。

ストロボをたいて撮影しても良いのかどうかわからなかったので、ストロボはたかないで撮影していました。すると、同行者が
「村上さん。カメラを隠して。撮影していると叱られているみたいだから」
と言います。あわててカメラをバックの中に入れて、何食わぬ顔をして最前列の椅子に座ってキリスト様にお詫びをしました。

f0061402_1546952.jpg


「キリスト様。すみません。ご挨拶もせずに撮影しました」

マテーラの紳士が、同行のカメラを持った紳士になにやら話をしています。それは怒っているという感じではなくて、注意していると言う感じでした。

皆、叱られたと思って、すごすごと教会から出て行きました。仕方がなく、私も立ち上がり歩き始めました。するとくだんのマテーラ紳士が私のそばに寄ってきて来てなにやら話しかけてきます。

「○△*◇◎■・・・・」

両手を広げて首をすくめて、話しかけると言うよりもぼやいている感じです。

「シー(Yes)。スクーズィ(ごめんなさい)グラッツェ(ありがとう)」

知っている限りの言葉を並べてみました。

教会の外に出たら、おじさんはあくまで穏やかに
「プレーゴ(どういたしまして)チャオ(さよなら)」
と言って片手を上げながら帰っていかれました。

今回の同行者の中には良識のない人はいませんでした。皆さん紳士であり、淑女でした。ですから教会の中でも大声を出したり、走り回ったりするような人は一人もいなくて、皆さん静かに教会を鑑賞していたのですが・・・。

きっとあのおじさんは
「ここは信仰の場で、観光する所ではないのです。祈りをささげに来たのなら良いのですが、興味本位での入場はどうかと思います。どうぞ、我々の神聖な場所を汚さないでください」
と言って、私にぼやいたのかもしれません。

カメラの紳士が最初に注意されましたので、カメラを持っていたのがきっと気にいらなかったのだと思います。

観光客にとっては、教会も観光の対象でしかありません。しかし、地元の人にとって、そこは大事な神聖な場所なのです。そのことに気がつかなかった私たちは間違っていました。

その後、教会に入る機会が何度かありましたが、わがグループは敬虔な気持ちを忘れず、静かに観光したのでした。

マテーラのおじさん。大事なことを教えてくださってありがとうございました。

by asahikanokami | 2007-06-19 15:46 | 旅の話
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