元朝日館の女将のてんてこ舞日記


東日本大震災で被災した小さな旅館の女将の日々
by asahikanokami
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バースディケーキ

1週間ぐらい前のお話です。

夕ご飯後のお客様がフロントにきました。
「あの・・・・」
というので、何か手落ちでもあったかと一瞬緊張しました。

すると
「お料理がおいしかったです。ごちそうさまでした。
実は今日は私の誕生日で、誕生日に出張なんてついてないなぁとがっかりしながら来ました。でも、おいしいお料理を食べたので今日は本当はついていたんだなと思いました。 とても良いお誕生日になりました。ありがとうございます」
と深々とお辞儀をされました。

「まぁ、お誕生日でしたか。それはそれはおめでとうございます」
と申し上げると

「いえ、おめでとうと言ってほしくて言ったのではないのです。お料理がおいしかったので幸せな気分になったと言いたかったんです」
とにっこりされました。

何かちょっとしたプレゼントをと思って探しましたが何も見つからず、夜も遅かったのでお店も開いてないし・・・・。

そして思い出しました。あ、冷蔵庫に頂き物のケーキがあった!今夜食べようと思っていたケーキがある!!

お食事の後なので小さめに切って、ちょっとおしゃれなお皿に入れてお部屋にお持ちしました。

ところが、お客様はドアを開けてケーキを持って立っている私を見たとたんに、目からぽろぽろと涙がこぼしたのです。
突然の涙に私はすっかり動揺してしまいました。

「あの・・・・・なにか・・・・」
「すみません・・・・嬉しかったんです・・・・」

小さなケーキです。それも頂き物のケーキです。

それを涙をがこぼれるほど喜んでいただけるとは思ってもいませんでした。私のほうこそ嬉しくて、ジーンとして涙が出てしまいました。

こんなに喜んでいただけるのなら大きく切って持ってくるのだったと、ちょっと後悔もしました。

こんな出来事があると、女将で良かったと思います。女将という商売ほど素晴らしい仕事はないと思います。

あれからちょうど一週間経ちましたが、この一週間は幸せな気持ちで仕事をすることができました。ありがたいことです。

明日も幸せな気分で女将をがんばります。

by asahikanokami | 2007-11-04 20:55 | 我が家のお客様
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